初めての社会調査 ー調査の基礎をざっくり解説!ー

社会調査入門シリーズ

 
 こんにちは、ねっきー🔍調査系おじさんです。

 社会調査というと「国勢調査」や「アンケート調査」を思い浮かべる方が多いと思います。

 今回は現役専門社会調査士が「社会調査」についてざっくり解説します。

 社会調査は言葉の定義など根本的なことから議論する余地のある社会的営みですが、書くとながーくなるので本当にざっくりお話しますね。

ねっきー
ねっきー

この記事はこんな方におすすめです。社会調査に興味がある方はぜひご覧ください!

・社会調査に興味はあるけど詳しいことは知らない

・大学で社会調査の講義を取ろうかと思っている方

・仕事や学業で調査に取り組もうかと考えている方

 この記事を読めば、社会調査について大体わかりますよ~♪

社会調査って何?

 社会調査とは何か?まずはその基本的な概念を理解することから始められればなと思います。

 社会調査とは、その名の通り、社会について調査することです。新聞社やテレビ局が定期的に行っている世論調査や、政府が行なっている意識調査はよく知られているでしょう。

引用:京都先端科学大学ホームページ

 社会調査は、社会や社会集団の状態や状況を科学的な手法を用いて調査し、そのデータを分析することで、現在や過去の状態を明らかにする取り組みです。具体的な例としては、国勢調査や内閣の支持率調査、市場調査などが挙げられます。

 社会調査は様々な分類ができますが、代表的な分類として次の2つが挙げられます。

 全数調査の代表例として国勢調査がありますが、これは国の人口や性別、就業状態、家族構成などのデータを収集する調査です。5年に一度は調査員が茶封筒をもって家に訪問する調査です。
このデータは、政府が政策を立案する際に活用され、社会の現状を把握するための基盤となります。

 一方、標本調査の代表例として、内閣の支持率調査が挙げられます。この調査では、RDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)という技術を用いてランダムに選ばれた電話番号に対して調査を行います。得られたデータは、統計学的手法によって全体の傾向を推測するために使用されます。

ねっきー
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 全数調査はすべての人や集団を対象に調査するので、分析結果に誤差がありません。みんなに聞けばみんなのことが分かるという理屈です標本調査は全体の一部の方に対して調査をするので、統計学的な処理をしても誤差が生じることがあります。

 ただし、「みんなが対象の全数調査」と比べて、標本調査は時間も人手も費用も掛からないので、基本標本調査をすることが多いです。そのため、特に重要な調査だけ全数調査をしている感じです。

 

社会調査ってどうしてするん?社会調査の役割とは…

社会調査の役割3選

  • 社会の状況を「見える化」する
  • 政策などの判断材料をデータとして提供する
  • 過去と現在の社会の動きを分析する

 社会調査は、特に社会や政策の理解を深める上で非常に重要な役割を果たします。

 例えば、国勢調査によって得られたデータは、政府が行うさまざまな政策の基礎となります。人口動態の変化や経済活動の状況を把握することで、どのような政策が必要か、どの地域に重点を置くべきかなどを判断する材料となります。

 また、標本調査では、一部の人々の意見や行動を分析することで、全体の傾向を推測することが可能です。例えば、内閣支持率調査では、数のサンプルから国民全体の支持傾向を導き出します。これにより、政府や政党は自らの政策や対応を調整するための貴重なフィードバックを得ることができます。

 さらに、社会調査によって明らかになったデータを過去と現在とで比べることにより、政策の効果や社会の変化を分析することができます。完璧ではありませんが、将来の予測にも大きな役割を担っています。

ねっきー
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 政府が行う社会調査は、国や国民、住民の生活の状況などを調査して把握することでより、効果的な政策を推進するために実施しています。前に紹介した国勢調査などはとても重要な調査なので、統計法により、調査を拒んだ人には罰金が科せられることもあります。気を付けましょう!

 最近は行政機関でも社会調査のデータを用いたEBPM(エビデンスに基づいた政策立案)が推進されています。

EBPMについてはまた別の記事で詳しく説明しますね(^^)/

代表的な社会調査はこれ!

 社会調査には、様々な種類の調査があります。ここではその一部を紹介したいと思います。見てみると「あ、確かにこういう調査があった。CMを見たことがある」と思われるかもしれません。実際に行われている社会調査を見てぜひイメージをつかんでみてください。

国が実施している主な社会調査

名前調査の特徴
国勢調査日本に住んでいるすべての人及び世帯を対象とする国の最も重要な統計調査で、国内の人口や世帯の実態を明らかにするため5年ごとに行われています。
家計調査一定の統計上の抽出方法に基づき選定された全国約9千世帯の方々を対象として、家計の収入・支出、貯蓄・負債などを毎月調査しています。
小売物価統計調査売物価統計調査は、消費生活において重要な商品の小売価格やサービスの料金を全国規模で毎月調査して、月々の価格の変化を明らかにするとともに、物価水準の変動を測定するための消費者物価指数を作成し、消費生活に関する経済施策の基礎資料として利用されています。
労働力調査我が国の15歳以上人口について、就業時間・産業・職業等の就業状況、失業・求職の状況など、月々の就業・失業の状態を把握することにより、就業者数、完全失業者数、完全失業率などの景気判断や雇用対策等の基礎資料となる結果を提供する調査です。
社会生活基本調査日々の生活における「時間のすごし方」と1年間の「余暇活動」の状況など、国民の暮らしぶりを調査(5年ごと)しています。この調査の結果は、高齢社会対策、少子化対策、男女共同参画に関する施策等の基礎資料として利用されています。
経済センサス調査業所及び企業の経済活動の状態を明らかにし、我が国における包括的な産業構造を明らかにするとともに、事業所・企業を対象とする各種統計調査の実施のための母集団情報を整備することを目的としています。
総務省統計局のホームページを引用して作成

 上記の国が主体で行う社会調査のほか、民間調査会社などの企業や学術機関が行う調査も社会について何かを調査するという側面があれば「社会調査」となります。ここでは書ききれませんが、デジタル技術を活用した調査も発展途上で、世はまさに”社会調査乱立時代”です。

 こういった社会調査が乱立する現代において警鐘を鳴らしているのが、社会学者である谷岡一郎先生です。谷岡先生は著書「『社会調査』のウソ」の中で、ずさんな社会調査のせいで、政策のミスリードや社会の停滞が訪れると述べています。

 そこで、でたらめな調査に惑わされないために「リサーチリテラシー」という能力が大切になってくるのですが、これについては別の記事でご紹介したいと思います。

ねっきー
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 社会調査に必要不可欠な「統計学」は、ずっと昔2000年以上昔の古代ギリシャの時代に始まったといわれています。当時は”富国強兵政治を行うために調査が行われました。私が好きな漫画「キングダム」にも兵力を向上させるための手段で「統計」が登場します。

「社会調査を学びたい」と思った方へのアドバイス

 社会調査を初めて学ぶ皆さんにとって、最初のステップは社会調査の基本書を一読することです。

 大抵の基本書では、調査の計画の立て方、調査票の作成方法、調査の実施方法、調査結果のまとめ方、そしてプレゼンテーションの仕方まで、一通りの流れが解説されています。これを読むことで、社会調査に関する全体像を理解し、実際に調査に取り組む際に自分がどのステップにいるのか、何を達成しようとしているのかを把握できるようになります。

 基本書と呼べる本は、1冊に限らず様々読んでみるのがおすすめです。社会調査の対象は千差万別ということもあり、専門分野も多義にわたります。

 著者のプロフィールなどを調べてみて、自分が興味があるテーマを調査している方が書いた本を選んでみるのも手です。特にこだわりがなければ社会調査を専門とする研究者の方が書いた入門書がおすすめです。私の方でも別の記事でおすすめの本を紹介しますので参考にしてみてください。

 基本書を読んだ後は、実際に身の回りで気になることを調査することが効果的な学習方法です。例えば、小さなコミュニティやサークル内でのアンケート調査を行うことで、全数調査や標本調査の基本を学ぶことができます。これにより、調査の実際のプロセスや課題を体感しながら学ぶことができるのでおすすめです!

まとめと所感

この記事のまとめちょっと補足

  • 社会調査は社会を理解し、より良い社会を作るための科学的な手法
  • 社会調査は様々な種類がある。調査結果によっては社会を動かすこともあり、実施や分析をする際には学び必要。それゆえ、社会学を学ぶ上では社会調査を勉強する意義がある
  • 社会調査を学ぶ最初の一歩は「基本書を一読すること
ねっきー
ねっきー

私も学生時代は社会調査の講義をたくさん受けました。その際、エスノグラフィー(民族誌)に関する本を読んだのですが、参与観察について深く知るきっかけになり、今の仕事にもその知識が活かせています社会調査=アンケート(質問紙調査)ではないのでぜひ興味がある分野を見つけて学んでみてください。楽しいですよ!

もっと詳しく知りたい方への情報

 

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